そのインパクトは、建築する為に行われる工事そのものが原因であったり,
完成後のその存在であったり。
インパクトと言ってもネガティブなものばかりではなく,
ポジティブに働く場合もあるので,一概にその影響を否定するものではないであろう。
植物も同様で,今までそこに存在しなかったものが芽吹き育つことで、
その周辺に存在していた植物達に何らかの影響を与える。
しかし植物は,建築の様に短期間の間に大規模なインパクトを与える存在ではなく
,四季に沿った時間の流れの中で,徐々に自身の存在と周辺の存在を同化させ,
世代更新を通じて周辺を構成する環境そのものに成長していく。
この「大地から生まれたカフェ」は、その名の通り大地から芽吹いた草木から着想した。
行為や存在そのものが周辺環境にインパクトを与える事を宿命付けられた建築であっても,その手法や、立地する環境の持つ時間軸に沿った変化や変容を受け入れるものであれば,
決してネガティブなインパクトだけでなく,ポジティブなインパクトを生み出す事も可能ではないか、そう考え,構築に着手した。
主 体構造には土木構築物に用いられるコルゲートパイプを埋設し,
周辺土質と一体化させる事で,アーチ状のマウンドを構成しつつ、
コストを抑える事を狙っている。
マウンド上部には工事により発生する掘削土を利用し積み上げ,
そこに周辺に自生する植物を移植し,建築初期から周辺の植生に沿わせ、
メンテナンスも周 辺植生と同様のものとする。
マウンドに載せられる土は断熱効果も持ち合わせ,
コルゲートパイプを2重に施工した隙間に施される現場発砲ウレタンによる
断熱効果と共に,初春、初秋の気候から室内を柔らかく守る働きをする。
また、室内気候を安定させる換気装置として土中熱を利用したパッシブ換 気を導入する。
大地に初春に芽吹く草木の様に,人もまた大地を盛り上げてできた空間に人が集い。
大地からの恵みを共に喜び、頬張る空間になればと想い,この案を提案した。