日あたりシミュレーションで日の差し方がわかったら、
その後、建物の断熱性能などを入力すると、
室内の各部屋の温度が、365日分予測することができます。
上の動画は、エアコンを使わず太陽の熱と生活で出る熱だけだと
どのぐらいの室温になるか、シミュレーションしてみた結果です。
室内では1月2日の7時で、外気温-3.9℃の時に室温17℃弱、
日中だとおおよそ18℃〜22℃程度になることがわかります。
一般的には、省エネ基準を目安に断熱性能を決めていることが多いのですが、みんなのオフグリッド研究所では、
冬のエアコンのない状態の室温(自然室温と言います)が、
おおよそ18℃を切らないことを目安に断熱性能を決めています。
こうすることで、建物側でどれぐらいの対策が取れるかということがはっきりし、エアコンの能力も最適のものを
選定することができるようになります。
自然室温でシミュレーションしたのちに、各部屋にちょうどいいエアコン(6畳用2台)を選定し、
室温のシミュレーションをします。
LDKでは一番寒い朝6時でも19℃程度までしか下がらず、
日中は24℃程度でずっとキープしています。
上のグラフは、冷房、暖房をかけている時期にどのぐらいの室温に収まるかを表したものです。
どちらも15℃〜30℃の範囲に収まっているのがわかります。
このように、感覚だけで断熱性能を決めるのではなく、室内の温度をどのぐらいにしたいのでか、
という目線で建物性能を決めるためには、この室温シミュレーションは必須です。
パッシブデザインでは、事前予測をどれだけ綿密に重ねるかが重要なポイントです。
みんなのオフグリッド研究所では、全棟標準でこの室温シミュレーションを行い、
建主さまと結果性能の共有をしています。
*おおいで研究所長:技術的解説シリーズ