冬には、快適な室温を保つためには断熱性能を高めることが重要です。
ただし断熱性能を上げても、熱源がなければ
快適な室温を維持することはできません。
一番簡単な方法は、直射日光を室内に取り入れることです。
冬は太陽の高さが低いため、庇ひさしを長くしても取り入れやすくなりますが、
取り入れた熱を家全体に効果的に広げるためには、
平面的な間取りだけでなく、断面的な「縦のプラン」も必要です。
縦のプランを適切に計画すれば、
北側に面する部屋でも熱を効果的に広げることができます。
ただ密集した住宅地等で、南側からの直射日光の取り込みが難しい場合、
周辺の建物の高さを測り、冬の太陽高度と照らし合わせて、
直射日光が取り込めそうな高さに窓を設けたり、
OMソーラーやそよ風、びおソーラーと言った、
空気集熱式ソーラーシステムによって「熱を採る」という方法もあります。
また、近くに高いビルやマンションがある場合、
日差しがさえぎられる場合もあります。
設計初期段階で日あたりシミュレーションを行って、
どのあたりからお日様を散りこむか、
しっかり検討しておけば、具合のいい住まいにすることができます。
エアコンやヒーターに頼る前に、建築的に考える事も大切です。
*おおいで研究所長:技術的解説シリーズ