入居してから2ヶ月分のオフグリッド率を発表したところですが、そもそも我が家のエネルギー計画をした段階で、100%電力自給出来ない!という事はわかっていました。
その理由を簡単な言葉にすれば「コストパフォーマンス」に尽きるのですが、
そのパフォーマンスは計画時のシミュレーションによって導き出しました。
以前のエントリー「住まいをシミュレーションすること」では、その概略についてお伝えしましたね。
今回は、具体的にどの様にシミュレーションしたのか?についてお伝えしたいと思います。
少し難しいかもしれませんが、どうぞお付き合いください(笑)
ほとんどのシミュレーションは「エイやっ?!!」
太陽光発電などのシミュレーションは、月毎に平均を出して「こんなもんです。エイやっ!!」
と示すのが一般的です。
月ごとに発電量が異なるのは理解できるけど、これだけだと本当に普通に暮らしが送れるのか?
という事がぼんやりして分かりづらい。
緻密なシミュレーションの検討項目は多い
季節ごとに発電量が異なるのと同じ様に「季節ごとに消費電力量も変化する」
月々の電気料金が変化することを思えば然もありなん。ですよね。
実際にオフグリッドハウスを計画する際のシミュレーションには、下記の検討が必要になります。
家族構成、居住する人数、照明や家電で利用する電気の使用量の目算を立てます。
この時、在宅時間がわかればそれもシミュレーションに入力します。
どのくらいの大きさや間取りの家で、窓の位置や天井の高さや、どの程度の断熱性能にするのかを決めることで、
建物で必要な最低限の冷暖房エネルギーを算出します。
太陽光発電パネルの大きさ、発電容量を決めます。
蓄電池容量を決めます。(実効容量であることがキモ)
冷暖房の設定温度、運転時間を決めることで、住まい手さんの暮らし向きによる、
冷暖房にかかるエネルギー算出を行います。
その断熱性能で必要な換気計画を立てることで、換気にかかるエネルギーを算出します。
コンロ種類を決めることで、IHであれば電気消費量に含んで計算します。
この様に細かな部分まで仮定数値を決めて、専用のシミュレーションソフトに入力して計算していきます。
365日24時間の全データを見ていきます
このシミュレーションソフトでは、外気温が何℃の場合、室内のこの部屋は何℃になります。
といったことを、気象庁の気象データを用いて365日24時間で算出することができます。
上記の絵では
「1月2日13:00 外気温8.2℃の時に書斎は23.9℃、リビングは24℃」ということが表されているのですが、
これが365日24時間連続で解るのです。
この温熱環境から導き出され、冷暖房・家電・照明・給湯(エコキュート)に
どの程度のエネルギー(電気)を使用するか? 家族構成や在宅時間に合わせて時間ごとに算出。
同様に、太陽光発電の発電量も時間ごとに算出。
ここに時間ごとのエネルギー使用量を出力して、オフグリッドシミュレーションに載せ替えていきます。
少し長くなりましたので、今回はここまで。
次回はどんな風に判定結果を導き出すのか?をお伝えします(^^)/
*おおいで研究所長:技術的解説シリーズ