西方事務所を見学した後は、今年新たに西方さんが自宅横に建てた「Q1住宅西方モデルハウス」
断熱性能を表す指標であるQ値が1.0を切るという超高断熱住宅。
kameplanが通常設計するにあたり目標にしているのがQ値2.0を切るぐらいですので、
おおよそ倍の断熱性能を持つ住宅です。
西方事務所と同じく、こちらも南側の窓は全面外付けブラインド。
壁に埋め込んであるので、すっきりしていいですね。
外壁は普通の木仕上げではなく、「ファサードラタン」とよばれる、スノコ状に外壁を張る方法。
これだと外壁内が湿気でこもることもなく、とても安心なのですが、
残念ながら防火関係の認定が取れていないので、都市部では使えないのです。
真南に大開口があるため、室内も広々感じられていい感じ。
超高断熱住宅にありがちな、窓が小さくてちょっとキュウクツな感じは微塵もありません。
外付けブラインドを落とすと、程よい光になってこれもまたよし。
大開口をとっても断熱性能を落とさないキーとなるサッシ。
ドイツより枠を輸入し、能代の工場でガラスを入れ込んだ超特注。
国内の製品では未だ到達できていない、U値0.85W/k・㎡という壁並みの性能を持ったサッシ。
壁は高性能グラスウール25Kを360mm(充填120㎜、付加240mm)、屋根は400mm(充填120mm、付加280mm)という、
東京近郊ではまず見かけられない断熱材の厚さ。
断熱材の厚さやサッシの超断熱化によって、訪れた日は無暖房で室温22度、湿度48%でずっと推移していました。
あまりに高断熱化することに若干の違和感を今まで感じていましたが、
ここまでやれば無暖房で過ごせるし、換気システムをしっかりしてあげれば、
湿度も十分高い環境を作り出せるのだなぁと再認識。
暖かいことの快適性は語らずともですが、湿度がある程度高いというのは、
結構カラダが楽で快適だということを実感すると、ここまcで断熱性能を上げる意義がよく見えました。
30坪強の住まいの暖房を、この12帖用エアコンで賄っています。
強い熱源でガンガンに温めているというのではない、
柔らかな暖かさと、省エネで暮らせる気軽さが両立した、
とても素敵な住まいでした。