現地の原石検査

先週は、現在発注者代理業務をしている某案件で、

岡山県へ、日本有数の桜御影材である「万成石」の切り出し前の現地検査に行ってきました。

 

万成石(桜御影石)は「墓石」と言うイメージが強いのですが、

古くから建物の外装材として使われることが多く、

銀座和光聖徳記念絵画館などにも使われている、硬く耐久性の高い御影石です。

 

石の採石場は「丁場」と呼ばれ、山奥に位置することが多いのですが、

ここは岡山駅から車で30分ほどの、住宅地のハズレのようなところにありました。

 

丁場はそう大規模なものではないものの、やはり独特な雰囲気。

右奥に見えるのが大きな一つの原石だそうで、高さはおおよそ20Mほどもあるとのことで、

ここまで行き着くのにも数年かかった、とのことでした。

 

ちょっとショッカーが出てきそうな雰囲気ですね(笑)

片隅には、割ったばかりの原石が。

筋のように見えるのは「矢」と呼ばれる楔を打ち込むための下穴の跡で、

その深さやピッチを見ると、そう簡単に割れる石ではない(=丈夫)ということですね。

事前に検討していたサンプル石と、ブロックになっている石の仕上げを比較確認しています。

最近は石といえば中国産などの外国産がほとんどになっていますが、

桜御影石は外国産御影と比べると、目が細く色の入り方も均一でなかなか美しいものでした。

 

なんと、このような美しい目の御影石が、地中400Mまで続いているそうです。

産地に直接行く醍醐味は、製品として市中に出てこないものも実際に見られるところにあります。

御影石ではありませんが、このようなダイナミックな表情を持った石も見ることができました。

「このまま切り出せますか?」とお聞きしたところ、

小さいものであればできるかもしれない、とのことでした。

そのままマルッと切り出して、リビングの壁とかに張ったら壮大だろうなぁ〜と、

ちょっと妄想タイムでした(笑)

 

産地まで行って、切り出している石屋さんとお話ししていると、

国産木材と同じで、そう距離のある材料には感じられなくなるんですよね〜。

 

あまり住宅で石を使うことはありませんが、

いつかは仕上げの使う石を、建主さんと一緒に丁場で選んでみたいですねぇ。