街のクリーニング屋さん 〜その4

住宅系・商業系地域で営業するクリーニング店を

法適合させるためには『建築審査会』の許可が必要

というのを説明した「その3」ですが →

その『審査会』を経て、建物が出来上がるまでの

大まかな流れをざっとお伝えします。

 

例えば『思い切って建替え』のケースだと…


◎築30年、近隣商業地域に建つ2階建て併用住宅

◎1階ドライもありのクリーニング店、2階住宅

◎建替え後も今まで通りのクリーニング店を継続



さて、まず始めるのは現況の建物の調査です。

◎今の建物がいつ建設され、役所への届出をどんな風に出しているか

◎新築当初から増改築などで変更したカ所はあるか

◎現在の建築基準法に照らし合わせ、現行法と合わないカ所はどこか
 (引火性溶剤の件はもちろん、構造規模や防火の仕様など)


そして同時に建替え新築の設計プランを作っていきます。

◎30年前と変化した家族構成に併せて間取りを考え
 店舗の機器類も既存利用と新規に入れ替える機器を選択します。

 →ここまでで3ヶ月から半年


◎ある程度プランがまとまったら、役所へ協議に行きます。
 国交省が提示した『技術的助言』に沿った仕様であるかどうか
 指導を受けながらプランの改善、変更を行います。

 →ここまでで2〜3ヶ月


◎近隣住民への『公聴会』を開催します。

 →準備含め1ヶ月程度


◎『建築審査会』に建替え計画の説明をして
 意見や指導を仰ぎます。

 →1ヶ月(審査会は月1回の開催のため)


◎審査会での意見、指導を反映した内容に訂正・変更して
 改善された計画内容で再度『審査会』許可申請を行います。

 →1〜2ヶ月(審査会は月1回の開催のため)


◎『審査会』で許可が下りたら『建築確認申請』を
 行政または検査機関に提出します。
 確認申請は建物の構造規模により審査期間が変わりますが
 →1ヶ月程度を要します。


その間に、仮設店舗への移転や仮住まいの手配

その後、既存建物の解体を行います。

『建築確認申請』の済証が発行された後

実際の建設が始まります。

一般的な木造2階建て30坪程度の新築住宅の工期は

4ヶ月程度ですが、店舗がありますから

 →5〜6ヶ月程度を見込んでおいた方がいいでしょう。



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と、言う事でこのケースの場合は

スタートから完成まで1年半〜2年かかることになります。

ただ実際に、この審査会を経由しての建築許可の実例が

ほとんど無いため(実は知り合いで1例目を知っていますが…笑)

関係各所との調整にもっともっと時間がかかる事が

想定されます。

実例に習うと足掛け3年と言うところでしょうか?

もっと短期的に何とかしたい場合は・・・

ケースバイケースで様々な方法が考えられます。

もちろん詳細はご相談に乗ります(^^)/

どうぞ、いつでもお気軽に

 


まちのクリーニング屋さん 〜その1〜 用途地域に注意

 

まちのクリーニング屋さん 〜その2〜 引火性溶剤とは

まちのクリーニング屋さん 〜その3〜 街中のクリーニング店は違反建築⁉️

まちのクリーニング屋さん 〜その4〜 最終手段は建築審査会