■断熱性能って?
断熱性能が高いと、家の中での暖房や冷房の効きが違うというのは、
ある程度想像できると思いますが、実際にどの程度の断熱性能を持たせると、どのようになるかの比較はなかなか難しいと思います。
そこで、気象庁のアメダスデータを利用した室内温度シミレーションを使って、断熱性能の違いがどこまで冷暖房の効きや運転時間、運転量の違いに反映されるか、同じ建物(宇津木台の家)をベースにしてシミュレーションしてみました。
また、宇津木台の家は次世代省エネ基準の断熱性能のほかに、空気集熱式ソーラーシステムで暖房を行っており、ソーラーシステムによってどこまで省エネルギーになるかも併記してみます。
■基準はあるの?
現在断熱性能の基準には、
・平成4年に策定された「新省エネ基準」
・平成11年に策定された「次世代省エネ基準」
の2つがあり、住宅性能表示基準では、
・新省エネ基準は等級2
・次世代省エネ基準は等級4
にあたります。
実際に家を建てたり、エコリフォームで断熱改修をする際に、
どの基準で行うかによって、効果がまったく変わってきます。
■普通はどうなの?
現在断熱基準に法的拘束力は無く、フラット35での融資を受けたり
(新省エネが最低基準)、長期優良住宅(次世代省エネ基準)で建てる場合を除き、残念ながらそれほど断熱性能に気が配られて建てられてはいません。
しかし、Co2削減や省エネルギーを求められている現在、断熱性能によってそれらが左右され、また部屋の模様替えのように簡単に変えられないことから、建てる当初にしっかり屋根、壁、サッシの断熱性能を持たせておき、少ないエネルギーで快適に過ごせる家作りを行う必要があるのではないでしょうか。
[宇津木台の家のスペック]
延床面積107.00m2(32.36坪)を全館冷暖房
断熱性能:次世代省エネ基準
気象データ:「浜松」のデータを使用
その他:ソーラーシステムを採用
【シミュレーションを行った住宅の断熱性能】
目標室温を冬は18度、夏は27度
エアコン運転は午前6時~10時、午後6~10時に設定。
《新省エネ》 Q値:4.11W/m2K
壁:10kグラスウール35mm
屋根:10kグラスウール40mm
サッシ:アルミサッシ(単板ガラス)
《次世代省エネ》Q値:2.44W/m2K
壁:高性能グラスウール16K 85mm
屋根:スタイロフォーム 130mm
サッシ:アルミ樹脂複合サッシ(ペアガラス)
■ 冬の室温シミュレーション結果
冬は断熱性能の違いが顕著に出やすく、特に新省エネと次世代のエアコン運転と
温度の上昇カーブが違います。
新省エネではエアコンを全開で運転しても18度に達するのが11時になってしまう
ところが、次世代では7時過ぎに達して、エアコン運転が絞られています。
夜も新省エネはエアコンを常に全開運転で18度をキープできますが、
次世代では1時間運転後、温度キープのための運転に切り替わっています。
次世代+ソーラーの場合、太陽が出るとソーラーで室内を暖めるので、
その分のエアコン運転時間が少なく済んでいます。
大まかですが、新省エネ→次世代で運転量が50%減、
次世代→次世代+ソーラーで25%減、
新省エネ→次世代+ソーラーで70%減となっています。

新省エネ基準の断熱だと、エアコンは常にフル回転で運転しています。

次世代基準の断熱だと、午前中は9時前には18度になり、エアコン稼動が下がっています。
夜は貯められた熱があるので、1時間ほど運転するだけで18度まで上がります。

次世代+ソーラーの場合は、太陽が上がる6時近辺にフル稼働しますが、太陽が出ると運転の必要がなくなります。
夜は、日中に貯めた熱があるので、ほとんど運転しなくても良いぐらいです。
■ 夏の室温シミュレーション結果
新省エネの場合、外気温があがるにしたがって室内の温度も上がるため、
エアコン運転量が上がっています。
また日中の熱気が家の中に侵入しやすいため、夜になっても室内がなかなか
冷えません。それに比較して次世代は、外気に室内が余り左右されにくいため、
朝も夜もエアコン運転量が少なめですんでいます。
次世代+ソーラーの場合、日が出ていないときの気温が低いときに外気を取り込む
運転を行っているので、朝も夜も次世代に比べて少ないエアコン運転量に
なっています。
大まかですが、新省エネ→次世代で運転量が30%減、
次世代→次世代+ソーラーで25%減、
新省エネ→次世代+ソーラーで50%減となっています。
新省エネ基準の断熱だと、外気温の上昇に伴ってエアコン運転も上昇します。
次世代基準の断熱だと、外気の影響を受けにくいのでエアコン運転が少なく済んでいます。
次世代+ソーラーの場合、夜間に外気を取り込んでいるので室温が低めになっています。